みなさん、こんにちは。弁護士の堀部忠男です。
前回、前々回と、支払の場面での電子化の話が続きましたので(プリペイドカードは紙でも構いませんが)、資金の借入れの場面における電子化として振替社債の話をしたいと思います。
社債はどういうものかというと、会社法に定義はありますがそれを読んでもよくわからないと思います。会社が融資を受け、その証拠として有価証券を発行します。その有価証券が社債です。通常の借入れでも証書を差し入れることはありますが、それは大抵は民法で定められ消費貸借契約の成立の証拠として差し入れるものです。社債は発行手続きが会社法に定めれそれに従って証券を発行し融資を受けます。経済的な機能としては借入れも社債も変わりはありませんが、法律上の位置づけは異なります。
振替社債は有価証券が紙ではなく電子化されています。現在のところ、電子化された社債の振替を行う機関は、株式会社証券保管振替機構(通称:ほふり)一社だけなので、社債権者はほふりの会員である金融機関に口座を開設して社債を保有することになります。振替社債は、中小企業でも発行できます。海外から融資を受ける場合は、恒久化された海外投資家振替社債利子等非課税制度を利用でき税務面でも有利なので、利用価値は高いと思います。